× 閉じる

旅スケTOP > 海外旅行 > アジア > タイ > メーホーソン > その他

パドゥン・カレン族の村

【旅先でのであい】 首長族の村で野良仕事

投稿日2014年07月24日
訪問時期2013年7月
ユーザー マサト*さん
@mouth.title

子供のころ、テレビで首長族のことを特集していた。
「ふええ~。こんな人間、ほんとにいるんだ」

その頃の私にとって、タイなんて遠い遠い国のことだった。
ましてや首長族の住む村を訪れる機会なんて、自分には一生訪れることはないと思っていた。

あれから歳月は流れ、ほんの数万円でタイまで行ける時代になった。
私のような海外旅行の初心者でも、いとも簡単に首長族の村に泊まれるようになった。
気が付いたときには、私は首長族の家で寝ていた。


首長族の朝は早い。
まだ夜が明けきらぬうちからあちこちで鶏が鳴き始め、とても寝ていられない。
もう少し寝ていたかったので狸寝入りをしていたのだが、マシャに蚊帳を取り払われてしまった。

朝食の前にまず一仕事しなければならない。
「働かざる者、食うべからず」、だ。
マシャとその妹、ムパイ、そして私の三人でクワを担いで山奥にある彼らの畑へと向かう。

なぜ俺も?
まあいいか。
どうせ他にやることもないんだし。

私の仕事はというと、ひたすら畑を耕すこと。
普段畑仕事などやったことのない私にとって、これはけっこうな重労働だ。

畑にはすでに植えられている作物があり、これらを刈り取らないように注意しながら耕さなければならない。
だが、私には雑草とそれらの作物との区別がつかない。
何度も作物を刈り取ってしまい、その度にマシャにしかられた。

畑にはたちの悪い虫がいる。
何カ所も刺されてしまった。
蚊とは違い、刺された場所から出血している。
かゆいだけでなく、痛い。
少し腫れてもいる。

だが、蚊よりはマシだ。
マラリアやデング熱にかかれば死ぬこともあるのだから。

私が痒がっている様子をマシャたちは笑っていた。
そんなに笑うなよ。
ホントにかゆいんだってば。


山の間から日が昇り、暑くなってきたところで作業は終了。
手にはマメができてしまった。

でも、腹の底からふつふつと笑いがこみ上げてくる。

小さい頃にテレビで首長族のことを見た。
自分とはまるで関係のない、遠い世界の話だと思っていた。

だが俺は今、彼らと一緒にいる。
彼らの畑で一緒に作業をし、
ミスをしては叱られ、虫に刺されてかゆがっている俺を見て彼らは笑っている。

信じられるか?
首長族と一緒に畑を耕しているんだぜ?
首長族が俺の名前を呼んで笑っているんだぜ?

なぜだかわからないが、笑いながら泣きたくなってきた。


家に戻り、虫に刺された所に薬を塗っていると、
マシャが「私にも塗って」と言う。
見ると、彼女も何カ所も刺されていた。

なんだ、お前も刺されてるんじゃん。
だったら もっとかゆそうな顔をしろよ。

一般に、地元の人は蚊に刺されにくい、と言われている。
だが、それはウソだ。
彼らだって虫に刺されるのだ。
ただ、かゆがらないだけ。
いちいちかゆがっていたらキリがないからだろう。


私がベビーパウダーを塗っていると、
「それは何?」
とマシャが聞いてくる。

ベビーパウダーだよ。
これを塗っとかないと汗疹になるんだ。

「ふうん」
と言いながら彼女も塗り始める、

おいおい。別に使うのは構わないが、一言 俺にことわってからにしろよ。
「お前の物は俺の物」という文化がこの村にはあるのだろうか。

最後に、マシャの妹、ムパイがマンゴーの皮を剥いてくれた。
この村の中にはいたるところにマンゴーの木がある。
新鮮なマンゴーが食べ放題なのだ。

あまりにもおいしかったので、ペロリとたいらげると、ムパイがもう一つ木からむしり取ってきてくれた。

私は南国のフルーツはあまり好きではないのだが、このマンゴーの味は別格だ。
知らなかった。マンゴーがこんなに美味だとは。
私は、この味を生涯忘れることはないだろう。


夕方になり、迎えのボートがやってきた。
いよいよこの村ともお別れだ。
ムコとムパイが港まで見送りに来てくれた。

この村は好きだ。
もう一度ここにやって来たい。

でも、次にここにやって来た時、この村はこの村のままでいてくれるのだろうか。

現在でも彼らのうち何人かは携帯電話を持ち、ソーラパネルで電気も蓄えている。
村の住人みんながスマートフォンを持ち歩き、Facebookで連絡を取り合う。
そんな風に変わってしまう日も近いのかもしれない。

もちろん彼らにも近代的で快適な生活を送る権利がある。
いつまでも彼らに原始的な生活を送って欲しいと願うのは、エゴ以外のなにものでもない。
やはり首長族の文化は消えゆく運命なのか。

チェンマイ行きの夜行バスのシートは貧弱で、よくきしむ。
車体が揺れるたびに振動が伝わって来て、むちうちになりそうだ。

首に痛みを感じる度に、村の人たちのことを考えずにはいられなかった。

総合評価★★★★★
利便性★★★☆☆
雰囲気★★★★★
お値打ち度★★★★★
混雑度★★★★★
おすすめ度★★★★★
おすすめの同行者一人
所用時間5時間以上

口コミは参考になりましたか?(現在0拍手)  

拍手する

旅スケTOP > 海外旅行 > アジア > タイ > メーホーソン > その他 > パドゥン・カレン族の村 > パドゥン・カレン族の村のクチコミ -【旅先でのであい】 首長族の村で野良仕事